誹謗中傷は本当に無視で良いのか?

投稿日 2021.02.10 更新日 2021.02.10

誹謗中傷に対する有効的な対処方法として、一般的には「無視」が一番良いとされています。結論から言ってしまうと、これは外野のキレイゴトに過ぎません。実は一番やってはいけない対処方法です。前回の記事でも書いた通り、誹謗中傷は事実上、風説の流布であり、低学年の子供のような罵詈雑言とは違います。犯人の多くは良い年齢をした大人で、相手を貶めるために様々な悪知恵を披露して来ます。これにより、誹謗中傷の内容を真実の話として錯誤したり、信じてしまう人が一定数出て来るものです。スマイリーキクチ中傷被害事件をはじめ、実例を上げたら枚挙にいとまがありません。最近では東名高速あおりデマ事件が記憶の新しいところだと思います。そう言った…ある意味で第二の犠牲者を出さない意味でも、きちんとした対応は必要です。

もちろん、自分できちんと調べもせず、素性のよく分からない人物の話を真に受ける者も悪いとは思います。しかし、誹謗中傷される側も問題の当事者の一人として、善意の第三者を巻き込まないようにする道義的な責任と義務はあると思います。状況によっては、問題放置により生じた損害や被害の責任を、誹謗中傷犯とともに問われ兼ねません。無視や放置は絶対にやってはいけません。

では、無視や放置がダメなら、具体的にどのような対処方法が良いのでしょうか。まず、適切かつ適量なアナウンス、声明発表のようなものは必要です。ただし、感情的な文体で書いてはいけません(相手が喜びます)。〇〇の件につきましては一切関係ございませんと言った感じに、事務的で簡素な一文を自サイトの目立つ位置に掲げておきましょう。

被害を受ける側にも一定の説明責任はあります。ゼロにはなりません。誹謗中傷に対して無視が効力を発揮するのは、誹謗中傷犯の正体が判明している場合に限られます。また、誹謗中傷犯は何も攻撃対象の様子を見て悦に浸っている訳でもありません。群集心理を巧みに操り、周辺で右往左往する人達の様子を見て快楽に浸っているケースの方がむしろ多い傾向にあります。

ただし、無視がダメだからと言って、相手と同じ土俵に登るのは絶対にダメです。相手と同じ土俵に登った時点であなたも誹謗中傷犯の一人と化します。相手はあの手この手と挑発、感情を煽って来ますが、それだけは絶対にやってはいけません。しかし、同じ土俵に登らないのであれば、ある程度の反撃はしても構わないと思います。まぁ、お勧めはできませんが…次回、詳しく語ります。